エンゼルスの大谷翔平との対決で、バッターとしてノリにノッていた彼を5試合ぶりの無安打かつ3三振と圧倒したジャスティン・バーランダー。
彼はいったいどんなピッチャーなのでしょうか?
バーランダーの打者を圧倒する”凄み”は、球種と投球スタイルから垣間見ることができます。
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バーランダーの球種と投球スタイル
バーランダーはフォーシーム、カーブ、スライダー、チェンジアップの4つの球種を投げ分けて、打者を打ち取ります。
球種だけ見ると普通のピッチャーと変わらないように見えます。
それではバーランダーは他のピッチャーと何が違うのでしょうか?
バーランダーの特徴として、それぞれの球種の質が良いことと、独特の投球スタイルが挙げられます。
バーランダーの投球スタイルは、独特の投球フォームから生まれます。
こちらがそのバーランダーの投球フォームです。
左足を大きくゆっくり胸元付近まで上げ、そこから一気に小さいテークバックでボールを投げ込みます。
“ゆっくり”から“素早くリリース”という様に、投球フォームに緩急をつけることでチェンジオブペースの効果が生まれ、バッターはタイミングを合わせることが難しくなります。
また、テークバックが小さいので、バッターはピッチャーが持っているボールが見えづらく、またボールを素早くリリースするので、投げる瞬間もほとんどボールが見えません。
そんな独特で、かつ打ちづらい投球フォームから投げられたボールが、どんどんストライクになります。
バーランダーは、投球の7割近くがストライクで、非常にコントロールが良いピッチャーです。
ボールの出どころが見えにくくて打ちづらい上に、どんどんストライクを取ってきますので、常にピッチャー有利のカウントの勝負となります。
ストライクが先行し、バッター不利の追い込まれた状態になっていきます。
さらに、あのイチローが「それぞれの変化球が一級品」と過去に話している通り、追い込まれる前に打ちに行っても投げるボール自体がどれも素晴らしいのです。
そのため、積極的に打ちにいっても空振りやファールになってしまい、結局はカウント的にバッターは追い込まれてしまいます。
バッターからすると、まさに打開策を見出すことが難しい投手です。
メジャーでも一級品と言われる球種と、独特の投球フォーム、投球スタイルがバーランダーの今の地位を築いた源泉となっていると言えるでしょう。
バーランダーの球速ってどのくらい?
バーランダーのそれぞれの球種の球速はどのくらいなのでしょうか?
球種は先に述べた、フォーシーム、カーブ、スライダー、チェンジアップの4つです。
フォーシーム
常時153キロから最速164キロ
カーブ
129キロ前後
スライダー
140キロ前後
チェンジアップ
135キロ前後
これがバーランダーのおおよその球種別の球速です。
フォーシームに関しては、最大で10キロ程の球速差があります。
カウントを取りに行く球速(153キロ)、勝負を決めに行く球速(160キロ以上)と、同じフォーシームでも違う球種に見える程の違いがあります。
変化球に関しても、フォーシームとの球速差が最大で30キロ程あるため、フォーシームとの緩急差が大きいのが特徴です。
また、変化球の球種ごとの球速も、カーブとスライダーでは最大10キロほどの球速差を生みだします。
見慣れない投球フォームで緩急をつけられて、しかも投げる球種でもここまで緩急を付けられると、バッターはもうお手上げ状態ですよね!
バーランダーのココがスゴい!
バーランダーの凄さはここまで書いてきた内容でもおわかりになるかと思いますが、私が個人的に一番スゴいと思うところは“フォーシームの回転数”と“高い空振り率”です。
バーランダーのフォーシームの回転数は、1分当たり2560回以上で、この数字はメジャーリーグでもトップの数字です。
フォーシームの回転数が多いことが何故すごいのでしょうか?
回転数が多いことで、ボールが投げられてからキャッチャーミットに収まるまでに、ボールが沈む幅が小さく初速と終速の差も生まれにくくなります。
これはバッターから見ると、ボールがすごく伸びてきているような錯覚になり「打てる」と思ってバットを振っても振り遅れたり、ボールがバットの上を通過する、ということが起こるのです。
先日行われた大谷翔平との対戦や、他のバッターとの対戦を見ていてもわかるとおり、対戦するバッターはことごとくバーランダーのフォーシームに空振りを取られています。
フォーシームの回転数に関しては、球速と同じようにはっきり個人差が出てきます。
メジャーでも№1の回転数を持っているということが、バーランダーの凄みをより引き立てているのではないでしょうか?
特別な才能を持っているバーランダーですが、その才能だけでやっている訳ではなく、その長所を十二分に活かしてボールを投げる、大変頭の良いピッチャーでもあります。
2015年にMLB全体で導入された「スタットキャスト」というデータ解析システムによると、
「回転数の多いピッチャーは“高めの”フォーシームがより有効である」
という分析結果が出ています。
バーランダーは、高めのフォーシームを勝負所で使うことで、一時の成績不振だった時期から立ち直り、今現在の地位を築いています。
「自分のの才能とメジャー№1長所を生かす頭の良さ」
これがバーランダーの投球スタイルと言えるのかもしれません。
ネット上の反応
バーランダーには年齢など関係ない!#インフォグラフィック pic.twitter.com/Ho4HnLqObS
— MLB Japan (@MLBJapan) June 7, 2018
バーランダー、今年チェンジアップ全然投げてないんだな。 pic.twitter.com/vDRSYnjjIV
— 華盛頓産歯磨き粉 (@nationallionsss) June 9, 2018
もうバーランダーくらいしか西武打線抑えられないんじゃない???
— とも (@tomo_aut2spr1pg) June 8, 2018
バーランダー防御率キチガイじみてるな
— SORIN (@sorin_pad) June 7, 2018
バーランダーの球種と投球スタイルまとめ
ここまで読んでいただいて、バーランダーが球種や球速、独特の投球フォームについてもおわかりになったかと思います。
また、彼はその特徴をよく理解していて、それを最大限に活かすことも考えてピッチングしているという「かしこさ」もあります。
バーランダーは、2011年にMVPとサイ・ヤング賞をW受賞したというピッチャーです。
35歳になった今でもメジャー屈指の先発投手として、「世界一軍団」アストロズを引っ張ってます。
同じアメリカン・リーグの西地区どうしで、今後大谷翔平との対戦も増えてくることが予想されるバーランダー。
彼の球種や投球スタイルすごさを理解した上で大谷翔平との対決を観戦すると、また違った面白さが見えてくるのではないでしょうか?
いつの日か大谷翔平がバーランダーというメジャーリーグ№1の壁をバッターとして打ち砕いてほしいですね。
もちろんピッチャーとしても乗り越える日が来ることを楽しみにしたいと思います。
バーランダーの球種と投球スタイル、”凄み”についてでした。
最後までごらんいただきありがとうございます。
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