田中将大がヤンキースとの契約破棄しなかった3つの理由とは?

契約破棄(オプトアウト)の権利を持ちながら、ヤンキースとの契約破棄をしなかった田中将大投手。

ポストシーズでの2勝1敗防御率0.90の素晴らしい活躍もあり、さらなる大型契約が見込める中、なぜ田中将大投手は契約破棄しなかったのでしょうか?

様々な角度から考えられる、田中将大投手がヤンキースとの契約破棄しなかった理由を、3つ取り上げてみました。



田中将大投手のヤンキースとの主な契約内容

田中将大投手のヤンキースとの主な契約内容

田中将大投手がヤンキースと結んでいる主な契約内容です。

  • 総額1億5500万ドル(161億円)の7年契約
  • 4年目終了時に(2017年シーズン終了時)契約破棄してFAとなれる条件付き
  • 住宅費:球団持ち
  • 通訳の給料:球団持ち
  • 渡航費用:球団持ち
  • 奥様の出産費用全額球団負担(1000万円超の環境)

 

超高額な契約金に加え、オプションとして住宅費、通訳の給料、渡航費などは球団負担という厚遇を受けています!

うらやましい限りですね!



契約破棄(オプトアウト)とは?

まず、契約破棄(オプトアウト)とはいったい何なのかを簡単に説明すると、選手自らが複数年契約を途中で放棄することが出来る権利です。

契約の途中でもっと良い契約を在籍している球団と結び直したり、FAになることが可能となります。

ちなみに、この条件が認められるのは基本的に超一流の選手のみで、近年のヤンキースではアレックス・ロドリゲスやCC・サバシアが権利を行使しました。

このオプトアウトの条件が契約に組み込まれる理由としては、選手側と球団側の双方にメリットがあるからだと言われています。



契約破棄(オプトアウト)のメリットは?

契約破棄(オプトアウト)のメリットを、選手側と球団側のそれぞれで説明します。

選手側のメリット

メジャーリーガーは、ある意味個人事業主でもあるので、出来る限り安定した生活環境と高額な給料が欲しいと考えます。

そのため球団と交わす契約は、出来るだけ高額な給料で長期契約を望みます。

長期契約にはどれだけ自分が成長して、大きな成績・功績を収めても年俸が固定されているため給料が変わらないというデメリットもあります。

例えば、年俸10億円の7年契約で総額70億円の契約をしている、若く有望な選手がいるとします。

その選手が急激な成長をし、契約4年目で年俸20億円クラスの選手になり偉大な功績を収めたとしても、年俸は10億円のまま変わりません。

これって、選手側からすると凄くもったいないですよね?

特に、契約をビジネスと見ている選手が多いメジャーリーガーは、耐え難い事実となってしまいます。

つまり、選手側としてのメリットは、契約破棄を条件に組み込むことによって契約途中でFAになれることが出来るので、成長した自分にふさわしい給料が出せる他球団と契約交渉することが出来ます。

また、在籍球団とさらに高い給料で契約をし直すことも可能となります。

球団側のメリット

契約破棄(オプトアウト)の球団側のメリットとしては、簡単に言うとリスクヘッジが出来ることです。

球団側は、中長期に渡って活躍が見込める選手や成長過程であり、さらに活躍が見込める選手をなるべく長く、そして出来る限り安く雇いたいと思っています。

理由は、そうした方が球団経営がより安定するからであり、それを実現する為に複数年の長期契約を選手と結びます。

しかし、長期契約はある意味賭けでもあります。

いわゆる先行投資をすることになるので、活躍を見込んで長期契約を結んだは良いものの、実際は活躍出来ない可能性もあります。

また、契約途中で怪我をする可能性もあります。

つまり球団側のメリットとしては、オプトアウトがあることで、こういった怪我などのリスクを契約途中で見直すことが出来ます。

また、一度FAとなった選手が他球団と折り合いが付かず、当初結んでいた契約よりも安い金額で自分の球団に戻ってくるということもありえます。

オプトアウト球団側の失敗例

オプトアウトで見直しが出来ると言っても、球団側は今ある情報のみで選手の未来を予測するしかないです。

権利を行使するかどうかは選手に委ねられているところもあるので、得をするのか損をするのかは結局、やってみなければわかりません。

今回取り上げている、田中将大投手が所属しているニューヨーク・ヤンキースも過去には痛い思い出がありました。

下記に、オプトアウトに失敗した事例を2つ上げます。

アレックス・ロドリゲスの例

2000年のオフに結んだ10年契約(2億5200万ドル)の7年目のシーズンが終わった時点で、アレックス・ロドリゲスはオプトアウトの権利を行使しました。

結局、ヤンキースは新たに10年で2億7500万ドルの契約を締結し直しましたが、フタを開けてみれば、不振や故障、薬物問題での出場停止など散々な結果となってしまいました。

【アレックス・ロドリゲスのオプトアウト前と後の成績】

CC・サバシアの例

2008年のオフにFAでCC・サバシア選手を7年1億6100万ドルで獲得しました。

CC・サバシアは4年目のシーズン終了時にオプトアウトの権利を行使し、5年1億2200万ドルで再契約をしましたが、そこから右肩下がりに調子を落とし締結した給料に見合う活躍が出来ていない状態です。

2017年は復活の兆しを見せています。

【CC・サバシアのオプトアウト前と後の成績】

田中将大がヤンキースと契約破棄しなかった3つの理由とは?

田中将大投手がヤンキースとの契約を破棄しなかった理由を3つまとめてみました。

理由①「生活環境」

まず、一つ上げられるのが生活環境の問題です。

周知の通り、田中将大投手はタレントの里田まいさんと結婚しており、2016年の2月に第一子となる長男を出産しています。

里田まいさんのブログにも、ニューヨークをエンジョイしている様子が多く見られますし、お子さんもまだ小さいことから、生活環境はあまり変えたくないと考えているのではないでしょうか?

田中将大投手本人に関しても、英語があまり得意ではないので他球団に行くことになると、一から周りとコミュニケーションを取らないといけないことになります。

そういった面で、他球団への移籍は大変なことも多くなってきます。

理由②「契約条件」

一番の理由として考えられるのが、契約条件の問題です。

他球団やヤンキースにアピールするために、重要な年になると言われていた2017年に関しては、ポストシーズンで良い成績を残したものの、レギュラーシーズンでは負けが込み、シーズンを通して見ると、決して良い成績を残したとは言えない年でした。

2014年から2016年までの3年間の平均防御率は3.12でしたが、2017年は4.74にまで上がってしまいました。

よって、他球団やヤンキースの評価が今の契約金を上回るのかどうか不透明な状態だったので、リスクを考え契約破棄しなかった可能性があります。

【田中将大投手のヤンキースでの成績一覧】

上記表で過去3年間と今年の成績を見比べてみると、ほとんどの項目で過去3年間を大きく下回る成績だったことがわかります。

ヤンキースでの田中将大投手の主な故障は以下のとおりです。

  • 2014年7月10日「右肘靱帯部分断裂」。PRP療法という保存療法でリハビリを行う(手術はしていない)
  • 2015年10月のシーズンオフ中に右肘の骨片を取り除く手術を受ける

 

オプトアウト(契約破棄)決断前の米メディアの反応です。

ニューヨーク・ポスト

  • オプトアウト回避は田中にとって賢明だった
  • 肘の故障再発の可能性は否定できず、現在の契約金を上回るのは難しい
  • 残り3年で6700万ドルの金額を超えるオファーは考えられない

 

MLAトレードルーマーズ(Q&A企画)

ポストシーズン前では、(オプトアウトは)ノーに傾いていた。

だが今ではオプトアウトすると完全に確信している。

ビッグステージにおけるアメージングな3試合の先発はFA市場で巨大な違いを生み出した。

タナカはオプトアウトし、年俸2000万ドルから2200万ドル(22億5000万円から23億6000万円)あたりで4・5年の契約を手にすると思う。

 

自身の2017年の不調や右肘の状態、メディアの評価などを考慮してみると、確かに契約破棄しない方が良いという意見も納得できますね!

理由③「目標」

ポストシーズン終了後のメディアに対するコメントの一部

開幕前は到底ここまで進めるチームだとは思われていなかったですけど、しっかり自分たちが成長できた。

チームがどんどんよくなって、ここまで進むことができた。

2017年11月3日に田中将大がチームに残ることを発表した時のコメントの一部

「今後もスタインブレナー一家、球団、そしてヤンキースファンの為に素晴らしいチームメイトと共にワールドシリーズ制覇を目指して頑張っていきたいと思います。」

 

人一倍チームの勝利に拘り、今までの勝率を見てもそれが顕著に現れている田中将大ですが、ワールドチャンピオンは必ず成し遂げたい大きな目標だと思います。

2017年のヤンキースは、若手有望株のアーロン・ジャッジを中心に多くの若手選手が力をつけた年でした。

野手では、ゲイリー・サンチェス、ロナルド・レイエス、ディディ・グリゴリアス選手が成長を遂げ、投手ではジョーダン・モンゴメリー、ルイス・セベリノと1990年代の選手が主力選手として活躍しました。

そして、そのほとんどの選手がマイナーリーグから育成してきた生え抜きの選手です。

ヤンキースのマイナー選手には他にも有望株がたくさん揃っており、3Aのスクラントン、2Aのトレントンは今シーズン地区優勝を果たしています。

しかも、3Aのスクラントンはチーム打率と防御率でリーグ1位であり、2Aのトレントンもリーグ打率3位、防御率1位と、チーム成績を見るだけで選手のポテンシャルの高さや層の厚さが伺えます。

NPBの広島東洋カープの例を見ても分かるとおり、現代は巨額なマネー投資による大型補強で戦力を充実させるよりも、若手育成による戦力強化というのが日本のみならず、メジャーリーグでもトレンドになってきており、その効果が証明されつつあります。

この事を踏まえて、田中将大投手は有望な若手選手を熾烈な競争環境で鍛えて急成長しているヤンキースに、ワールドチャンピオンという目標達成の可能性を感じ「契約破棄しない」という選択をしたのではないでしょうか?

まとめ

ここでは、田中将大投手がヤンキースをの契約破棄(オプトアウト)しなかった理由を3つ述べましたが、いかがだったでしょうか?

契約破棄した方がお得という声もある中で、破棄しなかったのは生活環境面や、新しい契約に対するリスク、ワールドチャンピオンになりたいという目標などを総合的に考えてみると、納得ができる判断だったんじゃないかと思います。

2017年は成績を落としたシーズンになってしまいました。

年齢もまだ29歳ですのでこれから最盛期を迎えるにあたって、大きな怪我なく頑張って欲しいです!

マー君は生涯ヤンキースかも・・・

 

【関連記事】



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA