アリゾナ・ダイヤモンドバックスの監督、トーリ・ロブロが、かつて日本のヤクルト・スワローズに在籍していたということをご存知ですか?
記憶にない方も多いかもしれません。
ヤクルトでロブロは目立った成績を残せませんでした。
しかし、そのロブロは監督として、2017年に就任1年目ながら「最優秀監督賞」を受賞しました!
現役時代はアメリカでも日本のヤクルトでも目立った成績は残せなかったロブロ。
一体なぜロブロは最優秀監督賞を受賞するまでに至ったのでしょうか?
ここでは、アリゾナ・ダイヤモンドバックス監督、トーリ・ロブロのヤクルト時代の成績や経歴をまとめてみました。
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ロブロ監督のプロフィールと経歴

トーリ・ロブロ監督の基本情報、選手歴、監督歴などを簡単にプロフィールとしてまとめます。
基本情報
国籍 :アメリカ合衆国
出身地 :カリフォルニア州ロサンゼルス郡サンタモニカ
生年月日:1965年7月25日(52歳)
最終学歴:カリフォルニア大学ロサンゼルス校
身長 :185.4cm
体重 :83.9kg
選手情報
投球・打席:右投げ両打ち
ポジション:二塁手・一塁手・三塁手
プロ入り :1987年MLBドラフト5位で(全体131位)デトロイト・タイガースから指名
MLB歴 :1988年9月10日(初出場)~1999年10月3日(最終出場)
NPB歴 :2000年3月31日(初出場)~2000年6月4日(最終出場)
選手時代の所属チーム
- デトロイト・タイガース(1988年~1989年)
- ニューヨーク・ヤンキース(1991年)
- カリフォルニア・エンゼルス(1993年)
- シアトル・マリナーズ(1994年)
- オークランド・アスレチックス(1996年)
- クリーブランド・インディアンス(1998年)
- フィラデルフィア・フィリーズ(1999年)
- ヤクロト・スワローズ(2000年)
監督・コーチ歴
- トロント・ブルージェイズ(2011年~2012年)
- ボストン・レッドソックス(2013年~2016年)
- アリゾナ・ダイヤモンドバックス(2017年─)
ロブロ監督の現役時代の成績
必ずしも、優秀な選手が監督としても優秀とは限りません。
トーリ・ロブロの現役時代はどのような選手だったのでしょうか?
現役時代の実績を簡単に表にまとめました。
<簡易年度別成績>
安打数、本塁打数、打点、盗塁数、打率、出塁率のどれを見ても正直見栄えのよい数字とはいえませんよね?
出場試合数が少なく、複数の内野のポジションをこなせることから、バリバリのレギュラーというよりはユーティリティープレーヤーとしての印象が強い選手でした。
どちらかというと、トーリ・ロブロは守備職人的な役割の選手として出場していました。
1993年のシーズンに関しては116試合に出場し、ほとんどの項目でキャリアハイの成績を残しました。
それでも「打率0.251、安打92、本塁打6、打点30、盗塁7」と目立った成績は残せず、翌年からは出場試合数が極端に減っています。
ロブロ監督のヤクルト在籍時はどうだった?
出典:https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2015/08/16/gazo/G20150816010945530.html
長年に渡りメジャーでキャリアを積んだトーリ・ロブロの最後の一年は、日本の球団であるヤクルト・スワローズに在籍していました。
35歳の2000年のシーズンに海を渡り、若松監督が指揮するヤクルト・スワローズと契約。
内野ならどこでも守れるユーティリティープレーヤーとして期待をされて入団しましたが、当時のヤクルト・スワローズの内野には、ロベルト・ペタジーニ、土橋勝征、岩村明憲、宮本慎也とヤクルトの球団史を見ても屈指の布陣でした。
そのため、トーリ・ロブロは29試合、わずか74打席の出場機会となり、安打13、本塁打1、打点2、打率0.197と振るわず、わずか1年で退団しています。
選手としては日本で活躍できなかったトーリ・ロブロですが、“将来チームをマネージメントする立場になりたい”という思いがありました。
「日本流の細かい戦術、練習方法、様々な状況に対処できる準備、試合中の気遣い」などの細かな経験をメモに書き上げていたようです。
日本で過ごした時間は少なかったですが、日本で学んだスモールベースボールの知識が、のちの2017年シーズンNL最優秀監督賞に繋がる大きな要素となりました。
監督として才能が一気に開花!
選手としてはどちらかと言うと目立たない存在だったトーリ・ロブロ。
ところが、2017年にアリゾナ・ダイヤモンドバックスの監督に就任すると、一気に才能が開花しました。
就任一年目にナショナルリーグの最優秀監督賞を獲得。
2017年のシーズンがトーリ・ロブロにとって、大きな転換期となりました。
現役時代を終えて監督になるまでの経緯
2017年シーズン、就任1年目で監督として大きな功績を残したトーリ・ロブロですが、実は最優秀監督賞を獲得するまでに、多くの経験を積んできました。
米サイトによると、ヤクルト・スワローズを退団して、2002年から2010年の間にシングルA、ダブルA、トリプルAレベルでチーム管理(監督・コーチなど)をしてました。
2013年にはコーチとして、ボストン・レッドソックスでワールドシリーズのタイトルを獲得しています。
最優秀監督賞の要因
2016年の11月にダイヤモンドバックス監督に就任することが発表されました。
2016年(監督就任前年)にシーズン69勝しかなかったチームを、就任1年目で93勝に導いた手腕が大きく評価されます。
その戦術は日本にいる時に学んだ日本流の細かい野球を基に作られてました。
時には内野のショーフライをあえて捕球せずに、一度落としてからダブルプレーを完成させるという、メジャーではあまり取り組まれていないプレーをすることも。
その斬新なプレーには相手チームのみならず、メディアも大いに驚かされました。
結局、最後はドジャースをワールドシリーズに導いたデーブ・ロバーツ監督と最優秀監督賞争いを繰り広げており、アメリカのサイトでは
「ロバーツはドジャースをワールドシリーズに導いてトーリ・ロブロのダイヤモンドバックを破ったが、トーリ・ロブロは2016年の69勝のシーズンから今年93勝のシーズンにチームを導いた。これらの賞が通常決定される選考方法は、ほとんどの場合、継続的な成功よりも驚きのある方が注目を集めるでしょう。」
と記載されてます。
去年、就任1年目で地区優勝し最優秀監督賞を受賞しているドジャースのデーブ・ロバーツ監督が受賞すること(定番化)よりも、より新鮮さのあるトーリ・ロブロの方が選出しやすい文化であることが書かれています。
こういった文化もあって、成績自体はドジャースのデーブ・ロバーツが勝っていましたが最終的にトーリ・ロブロが最優秀監督賞を受賞することになったのではないでしょうか。
ロブロ監督の人柄
トーリ・ロブロの長所は、コミュニケーション能力が優れているところです。
ダイヤモンドバックスのキャッチャーであるクリス・アイアネッタはトーリ・ロブロのことを、
「彼のコミュニケーション能力は誰も勝てないものだと思う」
「何が起きても、彼の能力は変わらないと思う」
と話してます。
外野手のデイビッド・ペラルタは、初めに彼(トーリ・ロブロ)が私たちの所に来てこう言いました。
「チーム一丸となってプレーするつもりだ。つまり、私たちは大きなファミリーだ」
と。
「彼は自分が何をしようとしているのか、すべてを伝えています。私はそれを理解することができると思う。彼はたくさんのエネルギー、良いエネルギーを持ちそれは凄く良いものだ私たちのクラブハウスはファミリールームのようなものです」
と話しています。
主力選手である、二人のコメントを見ても分かる通り、選手から絶大なる信頼を得ていることが分かりますね!
このように、コミュニケーション能力とコネクション能力を発揮し、就任1年目から選手の信頼を獲得したことが今回の功績に繋がったのではないでしょうか?
ちなみに、なぜ、トーリ・ロブロはコミュニケーション能力に長けているかと言うと、それは、父親の影響が大きかったようです。
トーリ・ロブロの父親は、カントリー・ミュージックのテレビ番組を長年プロデュースしていました。
ロブロが子供の頃から大物歌手と気軽にコミュニケーションを取れる環境があったということが、物怖じしない性格に育った要因だとされています。
ロブロ監督まとめ

ここではトーリ・ロブロについて、経歴や監督としての特徴、人柄についてお届けしました。
日本でもプレーしたことがあり、私たちにもなじみのあるトーリ・ロブロは、まじめで、選手からの信頼も厚い監督でした。
オリックス・バファローズの平野選手の移籍先の監督とあって、今後日本のメディアでも露出が増えてくると思います。
今回取り上げたトーリ・ロブロの選手とのコミュニケーション能力や、監督としての経歴、手腕も加味して見ていけば、よりいっそう面白く観戦できるのではないでしょうか?
2018年のダイヤモンドバックスと平野選手の活躍が楽しみです!
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